みやもと式勉強法A

1、問題集をやり散らかすのではなく、手をつけた問題集を全問自力で解けるようになるまで繰り返し解きます。

 

2、ただし全問を何度も解いているのであれば受験勉強は数年かかってしまいます。ですので間違えた問題のみを解いていきます。そのため解いたときに自力で解けた問題と間違えた問題を分けてください。問題番号に、できた問題と間違えた問題の印を決めてつけていきます。2回目は間違えた問題の印のついた問題のみやります。3回目は2回目も間違えた問題のみ解きます。そのようにして5回ほどやればだいたい全問自力で解けるようになります。

 

3、そのときは解けたけど、二週間くらい経ったら解けないかもしれない、という不安はあるでしょうが、一度は解けた問題も繰り返し解いていると、終わるまでに数年もかかってしまいます。ですので一年なり半年なりで受験を終えるために間違えた問題のみを解いていきます。その問題集が全問自力で解けるようになれば、それより少し難しい問題集をやっていきます。その問題集の中に前やったのと同じような問題も多く含まれていますので、不安な問題はそのとき練習できると考えましょう。

 

4、問題を解いたらすぐ答え合わせをします。正答していれば、できた印を問題につけ、間違えていればその印をつけます。そして解答を読みます。読んだあと必ず解答を隠して自分で解いてください。解いたらすぐ答え合わせします。できていれば次の問題に進み、間違えていたら再度解答を読みます。そして解答を隠してもう一度解きます。答え合わせをして正答していれば次の問題に進みます。少しでも間違っていれば、完全に正答するまでその問題に留まり必ず自分で正答できるようになってから次の問題にすすむようにしてください。解答を読んで「わかった(つもりの)状態」と「自分で解ける状態」は違います。テストで点を取るには必ず「自分で解ける状態」に全問題をしておく必要があります。

 

みやもと式勉強法B

情報処理能力がズバ抜けて高い生徒さんがたまにいらっしゃいます。そのような生徒さんは、基礎固めには「A」の方法でやるのがよいですが、入試レベルの問題は多少やり散らかしになっても、多くの問題に当たった方が結果が出ることがあります。このような生徒さんは、化学や物理について、大学受験レベルではなぜそうなるのかは理解できなくてもこういうものだからそう覚えましょう、というだけでは納得できないことがあります。インターネットで検索してそのページをプリントアウトしていただき大学レベル以上のレベルの内容であってもそれをノートにまとめたりファイルにまとめたりします。そのようにして大学受験レベルの問題を俯瞰することができるようになります。このやり方はたいへん時間がかかりますので、生徒さんの能力を見極めさせていただいてからおすすめしたいやり方です。

 

みやもと式勉強法C

実際の入試問題は市販の問題集とはかなり違っています。ですので過去問をやることを重視することが多いです。東大京大ですと二十年分、慶応医学部、慈恵医大、日本医大もできれば十年分。早稲田、慶応の理工系学部の場合も最低十年分は解いていきたいです。過去問は過去に出たのでもう出ないともいえますが、難関大学ほど入試問題には傾向性があります。それは過去問を十年以上解くことによってしかなかなか理解することは難しいです。ですので、入試レベルの問題は、問題集より過去問を重視することが多いです。

 

また、勉強を始めたのが遅く(たとえば高3夏休みから)、パターン習得用の問題集をやる時間がないけれど、偏差値68(河合塾)以上の難関大学や医学部を受験する生徒さんのうち、もともとの能力が非常に高い生徒さんであれば、問題集をやらずに、いきなり過去問をやって成功したことがあります(慈恵医大、日本医大、順天堂大医学部などの私立難関医学部)。過去問は十年以上は解きますが、物理や化学は過去問をやりながら参考書にあたり、公式や知識などを覚えていきます。過去問を解くことで受験勉強の全体をカバーし、難関を突破する生徒さんもいらっしゃいます。

 

みやもと式勉強法d

私も含めて家庭教師にはそれまでの経験に基づいたいろいろなやり方がありますが、当たり前ですが意見が絶対に正しいわけではありません。上のB、Cの勉強方法はもともとは、本当はそうさせたくなかったのですが、生徒さんがどうしてもそうしたいとおっしゃるので、そうしていただいたら、成功したので、以後それを方法の一つとさせていただいたものです。私の提案に納得できない生徒さんの場合は、生徒さんの話じゅうぶん聞き、生徒さんが納得したやり方でやっていただきます。自分で納得したことでないと、モチベーションを維持することが難しいからです。

 

生徒さんや親御さんの話を聞いて、明らかに間違っていると思われるやり方でも、そのやり方で進めることもあります。モチベーションを維持することはできるからです。本当に間違ったやり方である場合は、やっているうちにご自分で間違いに気づいたり、間違ったやり方と同時に間違っていないやり方も進めることで、学力を上げることができます。鉄緑会に通っているが、学力は学校の教科書レベルも理解できていないレベルで、鉄緑会の復習テストは、わけのわからないまま例題や確認シリーズを膨大な時間をかけて暗記して乗り越えてきましたが、実力テストでは全く歯が立たない、という生徒さんは、はじめは鉄緑会は辞めた方がいいのではないかと提案させていただきましたが、お母様がどうしても辞めたくないとおっしゃいましたので、鉄緑会に通いながら、ちゃんと理解を伴う『サクシード』や『セミナー』のようなパターン習得問題集も進めました。一年ほどで学力がつき、実力テストや予備校の模試でも成績が取れるようになりました。親御さんも含めて当事者のモチベーションを維持できることを最優先にしたいです。